【 ビジョンハウス研修レポート 】
働く人の『受援力』を高める  2022年7月実施

2022/10/28

今回のテーマとゲスト

「 働く人の『 受援力 』を高める 」
 吉田 穂波 さま( 医師・医学博士・公衆衛生学修士 )

https://honami-yoshida.jimdofree.com/profile-1/

 

 

弊社メンバーの学びの場である「 社内勉強会( ビジョンハウス研修 )」の内容を紹介いたします。毎回素晴らしいゲスト講師をお招きし、 弊社メンバーだけでなくこのページをご覧になった皆様にとっても、 学びや気づきを得る機会となることを願い、研修のポイントを公開させていただいております。 

 

今回は 「 受援力(じゅえんりょく)」というテーマで、「『つらいのに頼れない』が消える本-受援力を身につける」 の著者である吉田 穂波さんにご講演いただきました。 吉田さんは医師 ・ 医学博士 ・ 公衆衛生学修士として健康行動科学やヘルスコミュニケーション 、 健康危機管理学、 研究デザイン等を教える傍ら、 週2回は産婦人科診療に従事されています。

 

前半は、吉田さんが受援力という言葉に辿り着いた背景をお伺いし、 後半にはメンバーとも活発な意見交換をさせていただき、セミナー予定時間の2時間はあっという間に過ぎ去っていきました。この記事ではその様子を一部をご紹介いたします。

 

1.はじめに

 

吉田さんは、ハーバード公衆衛生大学院で修士課程に進まれたのち、現在でもコーチングやアントレプレナーシップの研修を受けるなど、熱心に学びをつづけられています。しかも、なんと6人のお子さんのお母さんでもあります! とても謙虚で物静かな語りかけからは想像もつかない、 吉田さんのバイタリティに溢れる様子に大変心を打たれました。

 

2.受援力は受「縁」 力

 

「頼ることは、繋がること」

頼ることは相手に対する信頼の証であり、相手の自己効力感がアップして、相手の健康状態も向上するというお話しを伺いました。頼ることが相手のためになる、というのは眼から鱗が落ちるような考え方で、新たな気付きがありました。

 

3.受援力体験ゲーム ~ KSK 

 

受援力としての3つのステップ「 K( 敬意 )」「 S( 存在証明 )」「 K( 感謝 )」という具体的なスキルを体感するために、簡単なゲームをしていただきました。( 受援力の3つのステップ “ KSK ” )

 

① あなただから頼みたい = 敬意 ~ 相手の名前を呼んで 「 今 、いいですか? 」
② 相談する = 存在承認 ~ 「 聴いてくれて嬉しい 」「 助かる 」~
③ 感謝 ~「 話しただけで楽になった! 」

 

< ゲームをやってみたメンバーからの感想 >

* 頼んだことで、意外とスッキリした。
* 頼まれたことで、相手のパーソナリティにも触れられて距離が近くなった気がした。
* ゲームだと思ってやってみたが、どうしても「すみません」と言ってしまう、口癖になっている。
* オンラインだと相手の状況が分かりづらい、対面の方がやはり頼みやすいかもしれない。
* 相談して受け入れてもらえた。( グループの )3人ともハッピーな気持ちになった。

 

4.断られたらいやだなと思ったら・・・

 

断られた = フィードバックだ! 頼む前から断られるかもしれないという前提で聞けば気持ちが楽になる。
断られたときの返し方・・・「 前向き質問 」で返す。
 例:そういう状況だということをよくぞ教えてくれました!では、どういうタイミングだったらお願いできますか?

 

5.メンバーとの質問タイム

時間も限られる中、メンバーからの生々しい質問にも快くお応えいただきました。

 

Q. 自分に余裕がない時ほど頼みづらい。自分でやった方が早い、メールする余裕すらない、と考えると頼めずにどんどん悪循環に陥ってしまう。こういう時にどうしたらいいですか?

A. まず、頼めないくらい追い込まれているなと思ったら、15分だけでも良いから休憩を取ることを優先します。チームメンバー同士でお互いのリフレッシュ方法などを知っておくと良いかもしれません。

 

Q. 組織の権限移譲の原則は「満遍なく」というが、受援する力と援助する力の偏りがあると思っています。コミュニケーションの濃度も、メンバーによって違う。私から誰にでも満遍なく「ちょっといい?」と頼らないということは、組織の中で頼りやすい人が偏ってしまい良くないんじゃないか?と気になります。

A.よく頼る人は誰でしょうか? おっしゃるとおりコミュニケーションを良く取る人だとは思いますが、まずはそういう方に頼ってみたらいいと思います。 確かに満遍なくできた方が、 お立場としては良いのかもしれませんから、 徐々にで構いませんので、頼る先を広げていくよう意識されたらどうでしょうか? 助けを求めること自体もコミュニケーションになりますよね。

 

Q.一人で抱え込んでできなくなる方が、組織としてはよほどリスクが高いですが、自分がやった方が早いことがあるのも事実。どこで線引きしたらよいでしょうか?

A.皆さんからよく「 線引きが難しい 」と言われます。 部下には自分で頼る目安を置いてあげたほうがいいです。 おすすめの目安は「 5分 」です。 5分経っても分からなかったら人に聞く、と基準を決めておくと頼りやすい。 「 自立 」とは、自分で全部達成するということではなく、ここまでは自分でやるけれど、ここからは誰かに任せる、というのを知っておくことなんですよ。

 

Q. 相談と「 お願い 」の違い。お願いは自分の中で心のハードルが高く、スキル的にはできるし、やろうと思えばできるんだけど、心理的ハードルがどうしても引っかかります。

A.自分が頼みやすい方で良いと思います。 自分の中で、「 相談する 」という言葉が、自分よりも物事を知っていて出来る人に対する行為で、「 お願いする 」という言葉が、相手を利用している行為だとイメージしているのであれば「 相談させてください 」と表現するとハードルが下がるかもしれません。

 

最後に、筆者がとても印象に残った吉田さんのお話をご紹介したいと思います。

 

●自分の足に合わない靴にグググっと無理やり合わせるのではなくて、 自分の足の大きさや形が変わったら、 それにあった靴を探す。
●利他的な行為は受け取らなければ意味がなくなってしまう。 誰かが受け取ってくれなければ、 助けたいという気持ちも無駄になってしまう。
●頼ることは 繋がること。 相手に対する信頼の証。 相手の自己効力感がアップして、 相手の健康状態も向上する。

 

吉田さん、学びの多いステキな時間をありがとうございました。

 

文責:塚田 泰弘

 

今回、お話を伺った吉田穂波さんの著書はこちらです。(amazonリンク)
『つらいのに頼れない』が消える本-受援力を身につける

 

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