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日本人の宗教観と価値観

2016/6/14
 筆者:清宮 ユミ
 
日本人に「あなたの宗教は?」と聞くと、「特にはない。あえていうと仏教かな。」という答えが返ってくることが多い。
日本人は、生まれたときにはお宮参りで神社に参拝し、結婚するときには教会で愛を誓い、死んだときにはお経をあげてもらいお寺に埋葬されることが多い。
日本では、宗教的儀式を、単なるイベントとして認識している人が多いのではないかと思う。

 

しかし、一歩海外へ出ると、事情が違う。宗教的儀式を生活のベースにして、宗教とともに生きている人達が沢山いる。
そんな人達が、先ほどの日本人の習性を聞いたら、理解できないだろうと思う。
私自身、ケニアにいたときに、敬虔なクリスチャンのケニア人とよく宗教観について衝突したことがある。
1番大きな違いは、自力本願と他力本願の価値観の違い。私たち日本人は、何か意思決定の際に神が介入してくることはない。
しかし、彼らの場合、「神が全ての決定者であり、自分たちは神の決断に従うだけ」という考え方。
よって、頑張るのは無駄。Take it easy にいこう、という考え方だった。

 

自分と180度異なる価値観を持つ人種がいることに、心底驚いた。もちろん、この考えには、宗教観だけではなく、彼らを取り巻く気候や、貧困など彼らの力ではどうにもならない社会的問題も大きく影響を与えているとは思うが。
ケニア人の例は極端な例だと思うが、いずれにせよ、海外では、日本人の宗教観は特殊であり、宗教に対して日本人と全く異なる価値観の人種がいるということ認識しておいた方がいいと思う。
では、この日本人の特殊な宗教観はどこから来るのか?あるネット記事で、米メディアが論じた日本人の宗教観が載っていた。

 

その中でも、米公共ラジオ放送(PRI)が、日本の土着の信仰である、八百万の神を祀る「神道」に
日本人の宗教観の背景を見出している部分があるが、面白いので紹介したい。
PRIで詳細を語ったのは、東京都の渋谷に位置する金王八幡宮の田所克敏宮司。
彼いわく、「ある日、仏陀と呼ばれる神がアジア大陸からやってきた。その後、キリストと呼ばれる神が船でやってきた。
すでにいた八百万の神にもう2つ加わった、というだけのこと」。だから、日本人は新しく来たものに対して寛容で、受容できるのだと。
既に沢山の神様がいたのだから、1人や2人増えても大したことではない、という感じだろうか。
確かに、多くの日本人が自分は仏教徒だと語ることが多い一方で、私たちの価値観は日本の土着宗教である神道の影響は大きい気がする。私自身、昔から何か悪いことをすると「お天道様が見ているから罰があたるよ!」と言われて育ったし、すべての物には霊魂が宿っているから粗末にしてはいけないと言われて育てられてきた。
かつてケニアのノーベル平和賞受賞者・ワンガリ・マータイ氏により有名になった「もったいない」という日本語にも、日本人の神道的感覚が表れている。

 

ビジネスの場では、宗教の話はタブーだから触れない方がいいという話はよく聞く。
しかし、触れずにはいられないケースも多い。海外で出会った外国人から、一緒にお参りに行くように誘われたり、信仰について聞かれるたりすることはよくあることだ。
その時に、自らの宗教観・価値観を可視化して、相手に理解できるように説明できる能力が、海外でビジネス展開する上で求められるのではないかと思う。

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