ビジョンハウス研修レポート 「タイで学んだリーダーシップ」

2023/12/11

今回のテーマとゲスト

「 タイで学んだリーダーシップ 」
  講師: Asian Identity Co., Ltd. CEO & Founder 中村 勝裕 様

 

弊社メンバーの学びの場である「 社内勉強会(ビジョンハウス研修)」の内容を紹介します。 毎回素晴らしいゲスト講師をお招きし、弊社メンバーだけでなく、このページをご覧になった皆様にとっても学びや気づきを得る機会となることを願い、研修のポイントを公開しております。

今回はタイに拠点を構えるアジアのHRファーム、Asian Identity Co., Ltd. のCEO & Founder で、『 リーダーの悩みはすべて東洋思想で解決できる 』の著者でもある、中村勝裕 様(以降、中村様 )に、「 リーダーシップ 」をテーマにご講演いただきました。

 

 

1. ご講演テーマの背景

 

「 リーダーシップ 」は、我々がお客様へ提供する研修でもよく取り上げられるテーマの一つであり、興味の尽きない領域です。中村様がご著書『 リーダーの悩みはすべて東洋思想で解決できる 』で解説されている、東洋思想をベースとした「 リーダーシップ 」は、一部のメンバーにとっては馴染みの薄いテーマでした。VUCAの時代において、「 リーダーシップ 」の在り方もより多様になってきています。東洋思想および中村様のタイでの起業体験からくるリーダーシップのお話を、メンバー一同楽しみにしておりました。

 

2. 講演内容

 

1)  中村様の自己紹介

 

中村様のこれまでのご経歴を中心に、なぜ「 ヒト 」の成長に携わる仕事をされているのかをお話しいただけました。印象的だったのは、中村様のご家族の話や、幼いころの原体験となったお話です。中村様の会社名に「 Identity 」という言葉が入っておりますが、まさに中村様の「 Identity 」の一部をご紹介いただきました。短い時間で中村様への理解が深まり、お人柄に親近感を持つことができました。

 

2)  タイで学んだリーダーシップ – 挑戦からどのような学びを得て来たか

 

2014年に起業されてからこれまでの歩みを、具体的な事例を交えながらご紹介いただきました。起業される前に中村様は以下3つの「問い」を持たれていたそうです。

 

  • 日本企業はなぜ製造業以外のグローバル化が難しいのか?
  • 現地スタッフを生かす経営とは?
  • 海外で活躍できる日本人とは?

 

タイでの事業経験から導きだされた「 問い 」に対する中村様の答えは、生々しい実体験がベースになっているもので、聞いている我々にとって「 なるほど、納得! 」のものでした。( 答えを知りたい方は、ぜひ中村様のセミナーを受講してみてください! )当たり前のような話ですが、タイと日本とでは、多くの「違い」があります。そうした違いを受け止めきれず、もしくは一つの側面しか見ようとせず、「どうせタイ人はxxxだから」という考えを持ってしまっている日本人がいることも、事実なのかもしれません。しかし、中村様はタイで真剣にタイ人と向き合い、一緒に仕事をする、チーム・組織を作っていくという経験を経て、一つの考えに至ったそうです。それが、

 

「 違いは “ 感謝 ” することで力になる 」

 

中村様の発言の節々から、タイ人メンバーに対する信頼・尊重が伝わってきました。その前提には、「 現地で成功するビジネスは、現地スタッフにしか作れない 」という考えがあるそうです。

 

3)  東洋思想とリーダーシップ

 

『リーダーの悩みはすべて東洋思想で解決できる』のエッセンスをご紹介いただけました。 リーダーに必要なことは、知識やビジネススキルからくる「 Doing – やり方 」と、ものの見方( 思想、世界観 )からくる「 あり方 – Being 」があり、今回は「 あり方 – Being 」を、東洋思想を通じて考える機会をいただけました。

 

前提として、東洋思想と西洋思想は、対立するもの、二者択一のものというわけではありません。中村様がファンであるという明治を代表するグローバルリーダー、岡倉天心は「東洋と西洋は互いに相手の良きところを汲み取るべきだ」という言葉を残しているそうです。大事なのは、違いを嘆くことではなく、違いを知って、お互いの良い点を活かしていくことと解釈しました。

 

東西の認識の違いについては、R・ニスベットの以下の言葉をご紹介いただきました。 「 ヨーロッパ人の思考は、対象( それが物体であれ、動物であれ、人間であれ )の動きは 単純な規則によって理解可能である 」 「 アジア人にとっての世界 はより複雑であり、出来事を理解するためには 常に複雑にからみ合った多くの要因に思いを馳せる 必要がある 」 問題に対するアプローチも、以下のような違いがあるそうです。

 

西洋的アプローチ
「 問題 」→「 原因分析 」→「 対策 」→「 解決 」

東洋的アプローチ
「 問題 」→「 内省 」→「 認識変化 」→「 解消 」 

 

実際に東南アジアでお仕事をされている方で、問題解決がうまくいかないとお悩みの方は、西洋的ではなく、東洋的なアプローチを意識してみると、問題「解消」へのヒントが見えてくるかもしれないですね。

 

そのほかにも「 どうやったら人は育つのか? 」「 我々リーダーはどのように成長していくべきか? 」といった問いをいただき、東洋思想をベースとした中村様の考えを共有いただきました。普段、仕事に没頭している中では、気づけないような視点がたくさんありました。興味のある方は、ぜひ中村様の著書を読んでみてください。

 

3. ご講演を終えて

 

弊社メンバーの感想の一部を紹介します。

  • 一貫して、可能性を信じる、自分が変わって未来を変えるに終始されており、ぶれない軸の大切さを改めて実感しました。
  • 「 人は教えられても、学ばない 」という主旨のお話しが本当に身につまされました。
  • コンステレーションについては点(瞬間風速)で判断しすぎない重要性や、受講者との関わり方に違った角度から光を当てる感覚をもらえました。
  • 素朴にその国の文化を好きになることが、その国でうまくいくポイントの1つだろうと思いました( 特に東南アジアは )。国に限らず、人に対してもそうだろうと思います。

 

「 アジアでの起業 」、「 東洋思想とリーダーシップ 」というテーマに馴染みが薄いメンバーもいましたが、「 ヒト 」や「 リーダー 」という視点から、多くの実践的な気づきがありました。あらためて、我々はどのように「 ヒト 」と向き合っていくべきか、どのようにリーダーシップを磨いていけばいいのかといった本質的な問い考える、貴重な機会となりました。

 

最後に、同じ人材業界に身を置く立場として、中村様から「 ともに頑張っていきましょう! 」という温かい言葉をいただきました。中村様、貴重なご講演をありがとうございました。

記:江草 嘉和

 

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