ゼロベース思考が無限の可能性を挽き出す

2015/5/25
 筆者:虎谷 秀信
 
HRインスティテュートが提唱するロジカルシンキングでは、基本として「ゼロベース思考」を重視しています。 ゼロベース思考とは、一言でいうと「思い込みを取り除くこと」

 

思い込みは、ものごとの解釈に大きな影響を与えます。 その一例が「バイアス」と「ヒューリスティック」です。

 

心理学者ウェイソンの研究に、次のような問題があります。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 一方の面に文字が、別の面に数字が書かれたカードが4枚ある。

 

E K 4 7

 

さて、「もし、あるカードの片面に母音が書かれているならば、 別の面には偶数が書かれている」という規則が成り立っているか 確かめるには、どのカードを裏返す必要があるだろうか。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 

皆さんは何を選びますか? ウェイソンの実験では「Eと4」を選んだ人が46%、「E」が33%、「Eと4と7」が7%、「Eと7」が4%、その他が10%でした。

 

正解は「Eと7」。

 

この結果から、ウェイソンは、「人は仮説を確かめる際に、仮説に反する 証拠を探そうとせず、仮説を指示する証拠だけを探す傾向がある」という命題を立て、「確証バイアス(confirmation bias)」と名付けました。 バイアスには、他に「信念バイアス」(自分の信念に合致することを正しいと感じる)、「感情バイアス」(心地よい感覚をもたらすことを信じたがる)などがあります。 一方、ヒューリスティックとは「必ず正解が得られるわけではないが、それに近い解が得られると信じている方法」のことで、私たちの日常の思考の中に「経験則」として根付いています。 有名なのは「代表性ヒューリスティック」(確率を考える時に典型例に置き換える)、「利用可能性ヒューリスティック」(想起しやすい事柄を優先する)です。

 

このような思い込みは、同じ環境に居続ける人や企業においては、特に問題発見や問題解決を妨げる大きな要因になります。 私たちコンサルタントには、自分では気づくことができない人や企業の思い込みを取り除いてあげる役割があります。

 

人の可能性は無限です。 その可能性に限界を作っているのが、その人本人だとしたら、勿体ないこと、この上ありません。

 

ゼロベースで考えれば、できないことを見つける方が難しいのですから。

おすすめコンサルタント

  • 虎谷 秀信

    チーフコンサルタント

    個人・企業の「したい(Will)」を「できる(Can)」に変えます。

おすすめコンサルタント

  • 虎谷 秀信

    チーフコンサルタント

    個人・企業の「したい(Will)」を「できる(Can)」に変えます。

ニュース

  • 2024/9/30
    セミナー・研修

    【アーカイブ動画配信】経営戦略を実現させる人材育成の要諦とは ~主体的な人材・組織による生産性向上~

  • 2024/9/30
    セミナー・研修

    【アーカイブ動画配信】AI時代の本格到来で必要なリーダーシップは変わるのか。3つの観点から考察する近未来のリーダー育成論

  • 2024/9/20
    メディア掲載情報

    『BUSINESS WORKOUT 主体的なチームを創る実践型プログラム』がTHE21にて紹介されました!

  • 2024/9/12
    お知らせ

    第2回 「 “ 自律型人材 ” の育成を考えるサロン 」 開催レポート

  • 2024/8/19
    セミナー・研修

    公開無料セミナー【BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)】個人任せにしない!組織に業務改革の”動き”を作る進め方

  • 2024/8/15
    セミナー・研修

    【アーカイブ動画配信】8月28日(水)11:00~
    【DiSCⓇワークショップ】お互いのコミュニケーションスタイルを知り成果につなげる

  • 2024/8/9
    ソーシャル活動

    HRIはフィリピンのブリス奨学金財団を支援しています

  • 2024/8/8
    お知らせ

    夏季一斉休業のご案内 ( 2024年8月10日 ~ 8月18日 )

  • 2024/7/11
    お知らせ

    HRカンファレンス2024-春にて弊社チーフコンサルタントが講演を行いました

  • 2024/7/10
    お知らせ

    【 緊急社長対談 】7/24(水)16:30 ~
    創発( イノベーション )を生み出す越境型コラボレーションとは
     ~ 新たな価値を生み出すこれからの人材育成論

ご相談はこちら