ベトナムダナン進出 日本人インタービュー第3回(後半)〜日本通運 町田様〜

2016/5/17
筆者:松岡 泰子
 

みなさん、こんにちは。 日本通運 町田様のインタビュー。後半をお届けします! ( >>前半はこちら>>)

 

赴任後の実情(つづき)

松岡)貴社の社員の方の状況についてお伺いできますか。

 

今のスタッフは、ベトナム人が6名です。事務所内の仕事以外にも、トラックでの運送や、港・空港で税関手続きなど、外回りをしている者もいます。

 

松岡)みなさん長くお勤めですか? また、人材マネジメントに関して何か秘訣がありますか?

 

社員は、あまり辞めていないですね。わりと長く続いているほうだと思います。弊社には、実は日本語を話せる者が今いないんです。英語ができるのが2名で、あとはベトナム語だけ。お客様の物流担当者はベトナム人であり、日本語・英語は必要ありません。私がスタッフとコミュニケーションをとる場合は基本的に英語です。そのコミュニケーションを担当するキーマン以外は、実はローカルの仕事なんですね。だから、全体として、社員が日本語をできなくても問題ありません。その点で、引き抜きの問題は起こらないです。まぁ、会社が更に大きくなってきたら、マネジメントクラスで引き抜きが起きてくるかもしれないですが。また、この業種の中では、比較的中小企業が多く、弊社の条件はいいほうなのではないでしょうか。日系企業として、業界の中のブランドもお陰様で高いほうですから、その点の魅力はあるとは思います。

 

人材マネジメントの秘訣に関することでいうと、、、語学力に関する話になりますが、私どもはサービス業なので、不特定多数の方とコミュニケーションを取る必要があります。いつもよく話をしている人には通じるけど、初めての人だとあまり通じない、というレベルの日本語力では不十分なわけです。ですから弊社では、日本語力ではなく、他のビジネススキルの評価に重きをおいています。セールスのスキルがあるとか、〇〇のオペレーションができる、とかを重要視しています。過去に弊社でも、日本語ができる人材を多くとったことがあります。そうしたら社内が分かれてしまいました。日本語ができるグループとできないグループ。そして、日本語ができるグループのほうが優遇されているかのような雰囲気が出てきてしまう。どうしても「日本語ができる人材は、やめられたら困る」という感じになっていくので、社員側も「私はやめられたら困る人間だから、絶対給料を上げてもらえる」というような発言を平気でするようになってしまいました。このままではいけないと、新たに採用する人については、日本語はできなくてもいいから、英語がある程度できて、素養がある人材、というスタンスに切り替えました。そしたら一気に社内が変わりましたね。仕事内容にもよりますが、海外とのコミュニケーションをとる事が多く、中堅より上のクラスは英語が必要となってきます。日本語より英語になります(勿論その上で日本語が出来れば万全ですが)。

 

ちなみに、台湾での話ですが、日本人が入る会議について、初めは通訳をいれてやっていたんですが、ある時から「基本的には、母国語使用禁止の会議」にしました。日本人なら日本語使っちゃダメ。台湾語でも中国語でも、英語でもいいけど日本語はダメ。その会議の場を〇〇語にしようということではなく、自分の母国語以外なら何語で話してもいいというルールです。そうすると、相手が片言で話しても、ネイティブが聞けばある程度理解できますから、お互いにそうすることで結構成り立っていました。

 

松岡)ダナンの人材の英語力はどうですか?

 

これが、、、全然聞き取れないです!こっちが言っても通じないですし(笑)。日本人が慣れるのに時間がかかる英語かとは思います。メールとか文字にすれば、まぁなんとかいけます。逆にフィリピンは、口頭のコミュニケーションは大丈夫ですが、文章を書かせたらダメでした。もちろん個人差がありますが、ごく普通に話しているのに、文章は全く、、、という人材がフィリピンでは結構いました。私がフィリピンにいたのはもう20年以上前だから今は変わってるかもしれませんが。90年代の新興国(台湾・フィリピン)のそれに比べたら、今のダナンは、まだいいのかもしれないですね。

 

人材に関連する話として、世の中の動きがこれだけ速い中で、ベトナムの人たちがついてこられるのか、ということは心配です。仕方ないことなのですが、社会主義の中で「ルール」というものを理解するのは難しいことのようなんですね。‟いけないけどできること” = ‟いけなくないこと” になってしまう。「これできるの?」と聞くと「はい」と答えるけど、法律上はNGだったなんていうことがとても多いです。グレーならグレーと言ってくれればいいのですが、それがはっきりしない。私の場合は、こういう場合どう?こういう場合どう?と複数例を聞いて、検証しています。数ケースを見比べると、辻褄が合わないことが見えてくるので、そうやって白黒グレーを見極めてます。こういう部分って教育ですから、矯正していくのにとても時間がかかると思いますよ。

 

松岡)私生活において、ご苦労されていることは何かありますか?

 

苦労ということではないですが、車の運転が自分でできる交通状態になってほしいなーとは思っています。これも社会の状況を表す一つの目安だと思うのですが「外国人が自分で安心して車を運転できる」ということは重要です。前述の「ルールが不明瞭な社会」という話と重なるんですが、交通ルールがはっきりしているかどうかの反映ですから。インフラとは言わないですが、これも根本的な重要部分だと思うので、変わってほしいですね。 他には、日本食材とか、おいしいお肉を買えるところがあまりないことでしょうか(苦笑)。あとは、必需品ではないけどあったら便利!というもので、結構手に入らないものがありますね。ちなみに、今買い物をする場所は、専らVincomかK-MartかJoly Martです。

 

Vincom(http://danang.vincomshoppingmall.com/) ;2015年にできたショッピングモール

 

K-Mart (https://www.facebook.com/danangkmart) ;韓国系のコンビニ

 
 

Joly Mart (参考HP;http://www.vietnam-sketch.com/2015100671566) ;日本・韓国などの輸入食品が豊富なスーパーマーケット

 

でも、総じて、ダナンはいいところだと思いますよ。日本でも観光地として脚光を浴びているようですしね。ちなみに、私は、そこを好きになれない人は、たぶん仕事もうまくいかないと思っています。過去に駐在した場所については、嫌だと思ったところは結果的にありません。

 

これから進出を考える企業・ビジネスパーソンへの進言

松岡)これからダナンにビジネスでくる人や企業にアドバイスはありますか?

 

偉そうなことをいうつもりではないんですが、「何をするために来るのか」ということを明確にしたほうがいいです。会社の命でくる場合と、自ら起業したくて来る場合があると思いますが、いずれにせよミッションがあって、それを遂行するにはどうするか、それだけです。そのミッションやビジョンの絵が上手く描けてないと、どうしていいか分からなくなってしまいます。ダナンは駐在員としてくる方が多いと思いますが、その場合も、どこまでできたら卒業だ、という絵を描けないと、つまらなくなってしまいます。まぁ、当たり前のことなので、みなさんわかっていらっしゃると思うんですが。その上で、仕事も私生活もいかにエンジョイするかが大切です。

 

松岡)参考までに、町田さんは仕事以外の時間はどのようにお過ごしですか?

 

意識しないと運動できないので、ジムで毎朝走っています。休日にはゴルフをよくやります。人間ね、楽しみながら、余計なことを色々考えないと、おかしくなってくるものなんです。精神的におかしくなるというのは、ある一つのことだけを考えるから。そうならないためには、ストレスを分散させることがポイントです。平日のストレスと、休日のストレスを両方持つといいです。そう、「ストレス」でいいんですよ。「ちくしょー」って強く思うと意識がそちらに行くので、別のストレスのことは一瞬頭から離すことができます。ゴルフやりながら「くそー、なんで上手くできないんだ!」なんて思ってる瞬間は、仕事のストレスは忘れているでしょう。そんなものです(笑)。ストレスが3つくらいあって、ちょうどいいんですよ。 単身で来ている方、家族帯同で来る方、色々な方がおられると思いますが、こういったことを意識してダナン生活を楽しまれるといいのかな、と思います。

 

松岡)町田さん、ありがとうございました!

 
 

<おまけ> 駐在者におすすめの店〜 町田さんのおススメ!〜 Limoncello(イタリアンレストラン) http://www.limoncellovn.com/

 
 

おいしいイタリアンのお店。日本語メニューもあって便利です!

 

============ 海外駐在のご経験が豊富な方ならではのお話を、沢山伺うことができました。 他の新興国を見てきた町田さんから見たダナン。 リスクには充分に備えつつ、これからのダナンに期待したいです。

 

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