ビジョンハウス研修レポート「描いて伝える可視化スキル グラフィックレコーディング研修」
2018/12/14
HRIメンバー向けの社内勉強会(ビジョンハウス研修)10月は、株式会社TAM えがこう!の日高由美子さんをゲストにお迎えして実施しました。
テーマは、描いて伝える可視化スキルであるグラフィックレコーディングです!
テーマ | 描いて伝える可視化スキル グラフィックレコーディング研修 |
日時 | 2018年10月29日(月) |
講師 | 株式会社TAM 可視化トレーナー グラフィックレコーダー 日高 由美子様 |
1.テーマ設定の背景
可視化スキルのひとつとして近年注目されているグラフィックレコーディング。企業や学校の様々なワークショップの成果を絵や図を豊富に使いながら、記録を取る手法として活用が増えています。
私たちは、コンサルタントという仕事柄、お客様との打ち合わせや研修など様々な場面でホワイトボードを使って可視化をする仕事をしていますが、フレームワークやチャート化による論理的な整理が多いので、伝え方のバリエーションが見つけられたらと考えてこのテーマに取り組みました。
2.可視化のメリット
当初はグラフィックデザイナーからキャリアをスタートされた日高様。5年くらい前からグラフィックレコーディングに取り組み始めたそうです。ご自身の経験から、企業の社長の多くはせっかちで、100%のアウトプットを時間をかけて作るよりも、50~60%でも見せながら描いて伝えると仕事が早くなり、手戻りを減らして信頼感も生まれることを感じ、仕事の中で描いて伝えることを大切にしてきたそうです。
可視化の定義
可視化とひとことでいっても、
- パーソナルグラフィック(自分の内側の考えを整理する、プランニング、スケジュール等)
- ノートテイキング(インタビューをしながら内容を視覚化する、自分の理解のために描く)
- グラフィックレコーディング(会議やセミナーなどで集まった人に見えるように話の記録を取る)
- グラフィックファシリテーション(描くだけでなく、進行に携わる)
- ストラテジック・グラフィック(相手に分かりやすく伝達することを目的に視覚化する、パンフレットや広告など)
など、様々あります。どれも「描く」ことを軸にしていますが、目的に応じて変わるようです。
世界における「可視化」の広がり
世界ではドイツで可視化のトレーニングが進んでいるそうですが、その背景として、他民族国家で、様々なバックグラウンドの人と一緒に働く環境では、一目で意思疎通をする意味が重視されるからだそうです。
アメリカではビジュアルシンキングという描きながらコンサルティングすることを勧めている企業もあり、セッションに出ていない人もセッションの内容をスピーディーに理解できることから注目を集めています。
3.描いてみよう!
実際に描いてみることが肝心な今回のテーマ。
まずは、ペアになり、指定された図形を片方が言葉で伝えて片方が描くワークをしました。どう言葉で伝えると正確に伝わるかに四苦八苦して、言葉で伝えるより絵で伝える方が早いということを体感しました。
五感の中でも、目からの情報は80%以上を占めるそうです。文字もひとつの可視化ですが、図や絵にすることは以下のようなメリットがあります。
- 関係性の理解が早い、複雑さを解きほぐすことができる
- 抜け漏れの矛盾を発見しやすい、情報を俯瞰してみることができる
- 後からアイデアを展開しやすい、アイデアを思い出しやすい
- 資料を展開しやすい
その後も、いくつかのワークを通じて、描き方のコツをメモしたものを、今回はグラレコ風でご紹介します。
星人間や吹き出しなど、描く際のポイントを知ると、絵心の有無にかかわらず、短時間で可視化することができるようになっていました。
4.学びの感想
グラレコはペンと紙さえあれば誰でもできるシンプルなアクティビティですが、奥が深いです。
実際に描いてみると、グラレコはまさに右脳と左脳をいったりきたりする活動だと感じました。例えば、1枚の紙に話を聞き取りながら絵や図で表現しようとすると、構造を考えながら描くことになるので、議論の全体像を押さえながら聞くことになります。話を構造化して整理する左脳的な働きと、絵で表現する右脳的な働きの両方を使うことになりました。言葉(文字)で書き取るのとは違って、より能動的に聴くようになるとのメンバーからの意見もありました。
また、「戦略」、「イノベーション」などの“文字では理解が表面的になりやすい言葉“を絵にしてみるワークでは、絵にすることで描く本人の理解や解釈がそのまま表現され、抽象的な概念の具体的な理解につながるのではないかと感じました。
描くことの効用として、他者との共有のしやすさや相互理解の促進、場の活性化など、場における価値の向上が着目されますが、それだけでなく、描く人自身にとっても気づきや理解の深化を得られるということに気づきました。
5.結び
たくさんのワークを通じてグラレコのポイントを学ぶことができ、さらにお互いの絵心も垣間見られて、参加者みんなが楽しみながら実践していました。場が盛り上がり、あっという間に2時間過ぎており、まさにグラレコのちからが発揮された研修でした。
解説の中にはすぐに使えるエッセンスがたっぷり詰まっていて、翌日には早速お客様との打ち合わせや研修で使ったという報告がいくつも出ていました。伝わりやすさ向上のために、積極的に活用していきたいと思います。
日高様、どうもありがとうございました!
記:コンサルタント 江口 瑛子
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