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次世代を担う学生たちにビジネススキルを
——学校法人梅村学園 中京大学様

2019/1/31

 

名古屋と豊田にキャンパスを置き、11学部・9研究科からなる総合大学の中京大学では、2008年から経済学部に選抜制実践教育プログラム「EXP エグゼクティブ・プログラム」を設置。そのプログラム運営にはHRインスティテュート(以下、HRI)が携わっています。プログラムの導入背景や実践内容、受講する学生たちの学びの様子などを、中京大学のご担当者様に伺いました。

(取材協力)
(右から)
学校法人 梅村学園 中京大学 経済学部 教授 釜田公良 様
学校法人 梅村学園 中京大学 学生支援部 キャリア支援課 中川祐未子 様

実社会で通用する汎用的なスキルを身につけるために

―貴校がHRIのプログラムを導入されたきっかけは?

 

釜田公良様(以下、釜田):ご存知の通り、少子化で受験生の総数が少なくなる中、「大学全入時代」とも言われるようになってきました。その影響か、経済学部でも少しずつ偏差値が下がる傾向が出てきたのです。そのため、2006年頃から教務委員会や入試委員会を中心に、学生の基礎学力向上を巡って議論・検討するようになりました。入試方式を多様化することで、短期的には成果も上がってきたのですが、もっと意欲的な学生たちに当学に興味を持ってもらうためには、学部教育の充実や学生の進路に目を向けて改革していかなくてはなりません。当然ながら、入学した学生たちみんなが研究者になるわけではない。そのほとんどが就職活動をし、民間企業へ就職するわけです。それなら、これまでのような専門科目に加え、社会に出てから通用するような汎用的なスキルを身につけられる科目が必要なのではないかと考えたのです。そういった経緯から、私が教授会に提案し、新たに経済学部の選抜制実践教育プログラムとして設置したのが、「EXP エグゼクティブ・プログラム(以下、EXP)」です。

EXPは当初から、外部講師との協力のもとで行うつもりで、キャリア支援課や入試センター、事務局などと連携しながらプログラムの全体設計を検討していきました。その中で、HRIの野口吉昭さん(創業者HRI フェロー/エグゼクティブコンサルタント)の著書『ロジカルシンキング』(PHP研究所)を読み、HRIさんとアライアンスを結ぶことになりました。HRIさんには、EXPの「ビジネス・ベーシック科目」と「キャリア・マネジメント科目」という2本柱のうち、ビジネス・ベーシック科目についてお願いしています。

社会人に求められる水準を疑似体験

―EXPはどのようなプログラム内容なのでしょうか。

 

釜田:EXPは、企業の次世代リーダーを担うようなビジネスパーソンに必要な汎用的な能力を「ジェネリック・スキル」と定義し、その修得、および企業への就職をサポートするようなプログラムです。ジェネリック・スキルとは、創造的で柔軟性に富んだ思考や自立性、チームワーク力、コミュニケーション力、論理的思考力、リーダーシップ、自己管理力など、あらゆる職業を超えて活用できるような汎用的な能力のことです。

プログラムは先ほどお話した通り、ビジネス・ベーシック科目とキャリア・マネジメント科目の2科目から成り、ビジネス・ベーシック科目は、「ロジカルシンキング」「戦略思考とコンセプト思考」「プレゼンテーションとコミュニケーション」という、ビジネスの実践に直結した内容となっています。

1年次の取得単位数や成績からEXPの受講者を選抜し、ロジカルシンキングでは最大200名、戦略思考とコンセプト思考では約80名、プレゼンテーションとコミュニケーションでは約40名と、段階的に選抜していきます。

―かなり厳しい選抜枠となっているのですね。

 

釜田:確かにそうですね。通常科目と比べても明らかに負荷も大きいですし、それこそ「社会人並みの水準」を受講生に求めているんです。HRIのコンサルタントの皆さんには社会人としての基本スタンスやマナー面も指導してもらっています。教室に入る際には帽子も脱いでもらいますし、イヤフォンも外す。しっかり挨拶をして、言葉遣いも丁寧に。実社会では当然のことですね。我々としては、これからの大学教育にはより実社会に則したあり方が求められてきているし、学生からのニーズもあるはずだ、と信じて始めました。当初は本当に学生たちが意欲的に取り組んでくれるか、不安なところもありましたが、それも杞憂に終わりました。入試の面接の際に「EXPを受けたい」という意思を示してくれる受験生もいます。

―プログラム設計はどのように行なっているのですか。

 

釜田:これまで行なってきた専門科目とは違い、実際に企業で求められるスキルを身につけるための科目となりますから、基本的にはご提案いただいたものをもとに、我々の要望や時代のニーズを踏まえ、ブラッシュアップをしています。さらに、セメスターごとに学部教員、事務局とHRIさんでミーティングを設けるほか、つねに細かいやり取りを行なっています。

スキルとともに自信を身につける学生たち

―受講生の反応はいかがですか。

 

釜田:導入してから10年経ちますので、年によってその反応も異なりますが、総合的に見ると、年々、意欲的で、積極的に楽しもうとする学生が増えてきたように思います。たとえば毎回、最終プレゼンの際にビデオを撮影して、自分たちの振り返りに活用してもらうのですが、EXP発足当初は恥ずかしがる学生や、せっかく選考に残ったのに「撮られるのが嫌だから」と辞退する学生もいました。けれども今では嫌がる人はほとんどいませんし、年々プレゼンも洗練され、自信を持ってプレゼンする学生が増えた。これは、時代の変化も関係しているのかもしれませんね。

中川祐未子様(以下、中川):学生たちは就職活動を控えて、「自分を採用してくれるような会社はあるのか」「自分に合う仕事はないんじゃないか」と漠然とした不安を抱えていることも多いんです。けれどもEXPを受講した学生たちは、プログラムを通じてビジネスの現場に精通した講師の皆さまから講義を受け、その中でさまざまな話をしているので、実際のビジネスや経済状況をしっかりとイメージし、「自分はどんな能力を活かし、どんな分野に進めばいいのか」と考えた上で、スムーズに就職活動へ入っていける人が多いのではないかと感じています。

釜田:笑い話みたいなものだけど、EXPを受講した学生はみんなロジカルシンキングが身についていて、結論から話すんですよ。「今日は3つの質問があります。1つはこれ、2つ目はこれ、3つ目はこうです」みたいな(笑)。みんなの共通認識として、論理的思考を用いていかにわかりやすく相手に伝えるか、という前提が共有できているんです。ですから、EXPの全5科目をやり遂げた学生たちはまさに精鋭ですし、かなり論理的に伝えられるんですよ。

―一方で、やはり「学生の本分は学問」という考えもあります。あまりに早期から実務教育を始めることに抵抗感はありませんでしたか。

 

釜田:確かに、「博士号を持っていない講師に学生の教育を任せていいのか」とか、「同じだけの学費を払っているのに、プログラムを受けられる学生とそうでない学生が出てしまっていいのか」といった意見がなかったわけではありません。けれども、EXPでジェネリック・スキルを学ぶことで、経済学の専門知識や理論をより深く理解することができますし、それをいかに社会へ活かすか、具体的に実務に置き換えて解釈することができます。まさに専門科目とEXPの相乗効果が生まれているんです。また、大学教育のあり方として、2011年 4 月に大学設置基準の改正が施行され、大学の正規プログラムとしてキャリア教育が求められるようになりました。我々はそれに先駆ける形で学生のキャリア教育に取り組んできたと言えます。

―EXPを導入してから、学生の卒業後の進路にも変化が出てきたのでしょうか。

 

釜田:学生の進路決定については2010年以降、継続的に上昇しています。学部全体では2017年度の進路決定率(卒業生に対する進路決定者の割合)は90.8%です。また、特にEXPを受講した学生に関しては、2010年から8年間平均で94.7%、2017年にEXP の5科目すべて履修した学生の進路決定率は100%となっています。就職先も、全体として大手企業や地銀など地元有力企業の比率が高まり、人気の高い会社への就職を果たす学生が増えています。また、国家公務員総合職試験の合格者実績では、東海地区で名古屋大学に次ぐ第2位となっています。

―HRIのコンサルタントの取り組みはいかがでしょうか。

 

釜田:我々としては全幅の信頼を置いています。私自身、講義の様子を見に行くのですが、実際のビジネスの現場は、アカデミアの世界とはまた異なるので、とても勉強になるんです。やはり、ビジネスに適した「コンピテンシー(ハイパフォーマーの行動特性)」を考えたとき、ある種の人間力というか、主体性や粘り強さが必要となってくる。それらを磨くためにどうあるべきか、というのを、国友(秀基 取締役シニアコンサルタント)さんをはじめ、HRIの皆さんが姿勢で示してくださっています。学生たちもいい意味で刺激されて、「国友さんのようになりたい!」と志望業界が広がる人もいます。講義の中で何度もフィードバックしてもらって、本当にみるみるうちに学生たちの聞く姿勢や話す姿勢が変わってくるんです。社会人のように、5分前行動や事前準備が当たり前にできるようになりますからね。

―これからの展望は?

 

釜田:EXPについては、これまでのようにつねにブラッシュアップをしながら、学生たちのスキルを磨いていきたい。さらに充実したキャリアプログラムにしていきたいですね。また、全学的にもキャリア教育が不可欠なものとなってきていますから、今後その裾野を広げていけたらと思います。

中川:売り手市場とは言え、毎年のように就職活動のスケジュールも変わる中、学生たちは厳しい環境に置かれています。学生たちと話していると、どこか自信がなかったり、やる前から諦めてしまったりする人が多いんです。EXPを受講して、スキルだけでなく自信もつけてもらって、どんな状況にも対応できるような学生たちを育てていきたいですね。

(右から)
学校法人 梅村学園 中京大学 経済学部 教授 釜田公良 様
学校法人 梅村学園 中京大学 学生支援部 キャリア支援課 中川祐未子 様
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