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ビジョンハウス研修レポート
「幸福学」

2019/7/25

 

 

 

恒例としているHRIメンバー向けの社内勉強会(ビジョンハウス研修)の内容を ご紹介します。 2019年3回目は、ウェルビーイング(well-being、幸せ)研究の第一人者であり、 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科で「幸福学」の研究をなさっている前野隆司(まえのたかし)先生にお越しいただきました。

 

 

1.テーマ設定の背景

今回のテーマは、「幸福学」。
「幸福学」のテーマで、数々の著書を出版されている前野先生ですが、弊社内でも前野先生のファンが多くぜひ一度ライブでお話頂きたいという希望が実現いたしました。慶應大学出身の塚田が前野先生とのご縁を頂けたというところも、今回の研修につながっております。
私たちコンサルタントは、クライアント企業におけるビジョン実現のサポートをさせていただいておりますが、その道筋において企業に働く社員の方々が幸せに働けているかということは、見過ごせない要素です。売上や利益が右肩上がりの成長を続けていてもその状態を「幸福」に思えないメンバーが多くいたとしたら、その企業に真の幸福はもたらされないと思います。
又、クライアントのみならず私たちHRIメンバーが一人ひとり幸せな仕事をし、幸せな人生を送るためのヒントを得ることができればとも考え、今回のワークショップを実施しました。

2.前野先生の講義

さて、講義は前野先生のご登場からスタートです。大学教授でいらっしゃる前野先生は「さすが教授!」という貫録があり一気に引き込まれ、そこにいる全員が大学生に戻ったような感覚を持ったと思います。
前野先生が幸福学を研究するようになったのは、元々ご自身がメーカーでカメラを設計する技術開発者であったこと、お客さまがカメラを使うシーンには「幸せ」な場面が多い、であるならばカメラを設計・開発するプロセスにも「幸せ」の要素が必要なのでは?という事がきっかけとのことでした。
以来、アメリカや日本で研究を重ね今は日本を代表する幸福学の第一人者であられます。多くの人は幸せを求めて人生を送っていますが、その幸せには「長続きしない幸せ」と「長続きする幸せ」があるとのことです。
長続きしない幸せは「地位財」による幸せ。地位財とは、金、モノ、地位など、他人と比べられる財のことです。しかし、一定以上の経済的な豊かさやモノの豊かさは、必ずしも幸せをもたらさないそうです。
一方、長続きする幸せは「非地位財」による幸せで、ここには環境に恵まれている幸せ、健康である幸せなどのほかに、「心の要因による幸せ」が多く含まれています。

当日の資料より

 

 

前野先生は心の要因による幸せを以下の「4つの因子」にまとめられました。 この4つを満たせば、私たちは長続きする幸せを手に入れることができるそうです。

 

■4つの因子

1.「自己実現と成長」の因子(やってみよう因子)
 夢や目標ややりがいをもち、それらを実現しようと成長していくことが幸せをもたらす。

2.「つながりと感謝」の因子(ありがとう因子)
 人を喜ばせること、愛情に満ちた関係、親切な行為などが幸せを呼ぶ。

3.「前向きと楽観」の因子(なんとかなる因子)
 自己肯定感が高く、いつも楽しく笑顔でいられることは幸せ。

4.「独立と自分らしさ」という因子(ありのままに因子)
 他人と比較せずに自分らしくやっていける人は、そうでない人よりも幸せである。

当日の資料より

 

 

この4つの因子がどれか1つが高く、どれか1つが低い状態は幸せな状態とは言いづらく、4つすべてが高いと幸せな状態といえるとのことです。確かにどれかが突出して高くてもバランスが良くないのかなと推測できます。
我々HRIのメンバーは、4つの因子はそれなりに高いのでは、と私は思いましたが実際はどうでしょう・・・。4つの因子を共通言語としてメンバー間で対話をすることが幸せな職場づくりには重要であるとも感じました。
講義を1時間ほど拝聴し、その後は質疑応答と社内テーマでワークショップを実践する予定で進めていきましたがHRIメンバーからの質問の数がとても多く、ワークショップの時間が短縮されることに……。やはり、私たちは常に幸せを求めて生きていて、より良い仕事や人生のヒントを探しているのだなあ…そんなことを、質問の数の多さから感じました。個人的には以下の質問をさせていただきました。

Q:「うつ状態」と「幸せ」は対局にあるような気がするが、もし部下や家族に「うつ」の人がいたらどのように対応していけばいいか?

A(前野先生):まず、「うつ病」と診断された場合、これは病気となるので医者にしか扱えない領域になるという前提でお話しする。「うつ状態」の人には集団作業をしてもらうのが好ましい、一人で仕事をさせないほうがいいと言われている。又、「うつ状態」の場合、4つの因子が低くなっていて、特に「ありがとう因子」の自己有用感が低く、自分なんていなくていい、となりやすい。なので、誰かが親身になって「あなたがいてくれるだけでいい」と伝え続けることが重要と考える。

上記のような、質問と回答を繰り返しながら、代わる代わる全員が何度も手を挙げるような質疑応答の時間でした。

 

3.ワークショップ

時間も残り僅かとなる中、4グループ(4人~5人)に分かれて、社内の現状を洗い出すワークショップに移りました。

【ワークショップお題】

各チームがそれぞれに、良いところ、改善すべきことを本音ベースで語り合う事ができるとても良い場だったと思います。
私たちもウェイ活動の一環で社内の善玉遺伝子・悪玉遺伝子を洗い出すというワーク(※参考)を過去に実施しましたが、今回前野先生にレクチャーいただき、新しい気付きを得る時間となりました。各チームが発表をし、前野先生にそれぞれのアウトプットを褒めていただけたので、素直にうれしいと思える瞬間でした!日頃、研修を実施している身としては「もっと受講生のアウトプットを褒めよう!」と決意を新たにいたしました。

4.学びの感想

前野先生の講義を受けて、社内では非常に活発にメールが飛び交いました。「幸福な組織づくりのために〇〇をしよう」という呼びかけがあったり、そうはいっても現実は……というような率直な意見もあったり、様々な観点から個人の意見が出てきました。どんな意見でも意見がオープンに「みえる化」される組織は、「やってみよう因子」や「ありのまま因子」が高いと思います。そこに互いの意見を受容する「ありがとう因子」や、言っても言われても、落ち込まず「なんとかなるさ因子」がしっかり存在すれば、組織として幸せに向かっていくのではないかという希望も持てました。

5.結び

上記のように、研修中も研修後も非常に活発に意見が飛び交い、メンバーみな、気づきを得られたところが大きかったと思います。
2019年6月のビジョンハウス研修は、互いの理解・共感を重ねるとてもいい場になりました。
前野先生、本当にどうもありがとうございました。
前野先生への講演依頼やご相談などは以下URLを参考にされてください。
http://lab.sdm.keio.ac.jp/maeno/index.html
今回の気づきを踏まえて、これからもHRIメンバーが一丸となって、お客様の幸せな事業創り、組織創り、人創りに貢献できればと思います。

記:コンサルタント 石田 なお子

 

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