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「人間は、一生勉強」進化しつづける学びの場
——株式会社鳥貴族様

2019/8/29

「焼鳥屋で世の中を明るくする」という理念のもと、「298円均一(税抜)の感動」をコンセプトに関東、関西、東海エリアで焼鳥屋「鳥貴族」を展開する、株式会社鳥貴族。その急成長を支える背景には、「人を大切にする」ヒューマンスキルを重視した教育研修体系の構築がありました。HRインスティテュート(以下、HRI)のワークアウト®手法に基づき、2013年から段階的に導入された教育研修体系について、専務取締役の中西卓己様と人財部人財開発課課長の久保山豪様にお話を伺いました。

(取材協力)
(右から)
株式会社鳥貴族
専務取締役 中西卓己 様
人財部 人財開発課 課長 久保山豪 様

 

社名株式会社 鳥貴族
事業「鳥貴族」の営業とカムレードチェーン事業
設立1986年

企業の成長には社員一人ひとりの成長が不可欠

―貴社がHRIのプログラムを導入されたきっかけは?

 

中西卓己様(以下、中西):当社は1985年に大阪で第1号店を開店して、2005年に東京進出を果たし、現在は全国で直営店を413店舗、鳥貴族カムレードチェーン(TCC)を入れると659店舗(2019年7月末時点)を運営しています。特に東京進出以降、2008年に100店舗、2011年に200店舗と順調に成長してきましたが、社員教育については、HRIさんに研修を依頼し始めた当時、遅れていたというのが実状で、店舗ごとのOJTに委ねている状態でした。Off-JTとしては、スタッフから店長、店長からエリアマネージャーに昇格する際、「店長研修」「エリアマネージャー研修」として行うもの。そして、毎月の会議で大倉(忠司 代表取締役)社長から講話を行い、会社の方向性や行動指針を伝え、それを店長からお店のスタッフへ伝えてもらっていましたが、フォローアップ研修のようなものは行なっていませんでした。社内アンケートでは社員から「もっと教育制度をしっかりしてもらいたい」という声も多く、なんとか早急に対応しなくては、と考えていました。

 

久保山豪様(以下、久保山):入社して1年ほどで店長になる社員もいたので、いったん店長になってしまうと、次の役職に上がるまでは、何も研修らしい研修がない状況だったんです。店長だけでなく、エリアマネージャーや課長、部長たちにも、しっかり体系立てた教育を行いたいという思いがありました。また、2016年には企業戦略と連動させるべく人事制度を刷新、新人事制度に沿った形で教育研修体系を整備するという方針を決めました。企業としての成長を目指すには、社員一人ひとりの成長が不可欠、ということですね。それで、社員研修を段階的にHRIさんへお願いすることにしたんです。

 

―それまである種「現場叩き上げ」で昇進してこられた方々にとって、研修を増やすことに対する戸惑いや不安の声はありませんでしたか。

 

中西:いえ、むしろぜひ学びたい、という思いを持った社員が多かったように思います。社員たちはある種、「教えてもらうことに飢えている」ような状態だったんですね。店舗数が増え、組織が大きくなるにつれ、ずっと店長、あるいはマネージャーのまま、なかなか役職が変わらない人も出てきた。自分だけで成長していける人にも、なかなか結果が出ない人にも、それぞれに力を注いであげたいんです。(代表取締役)社長の大倉(忠司様)も、昔から「人間は、一生勉強だ」と言いつづけてきましたから、私としても「学びつづけられるような教育体制」をつくりたいと考えていました。けれども、やりたいことが多すぎて、どこから手をつければいいものかわからない。ですから、いわば人財育成のプロフェッショナルである三坂さんに相談することにしたんです。

 

 

「トリキウェイ」に基づいたヒューマンスキルの構築

―どのように教育研修体系を構築していったのでしょうか。

 

久保山:HRIさんにはまず、課長・エリアマネージャー、部長を対象にした研修から当社の社員教育に携わってもらいました。毎月1回、当初は全14回(現在は全12回)。課題解決手法やマーケティング、戦略など、いわゆるMBA的なスキルアップ研修、そしてコーチングやマネジメント、リーダーシップを磨くヒューマンスキルの研修を行ってもらいました。その後、新人事制度と整合を図り、新入社員、新任エリアマネージャー・新任課長などの「階層別教育」、そして店長のなかから選抜して行う「課長・マネージャー養成研修」や課長・統括マネージャーから選抜して行う「部長職養成研修」といった「選抜教育」と研修対象者を広げて設計していきました。

 

中西:それに加えて、三坂さんと話し合う中で検討を重ねたのが、「ビルドアップ研修」。一般社員、店長、エリアマネージャー、課長など階層ごとに、入社から、もしくはその役職に就いてから4、7、10年目を迎えた社員に対して、研修を行います。この「ビルドアップ研修」は鳥貴族という会社は永遠に成長を続けるし、社員もずっと成長し続ける、という想いを込めた鳥貴族らしい研修だと考えています。

 

教育研修体系をつくるに当たり、スキルを3つに分類して整理しました。焼鳥を焼く技術や会計、法律など各部署の担当業務を遂行するうえで必要な知識を「テクニカルスキル」、マネジメントや論理思考、戦略立案など成果を挙げるうえで必要なビジネススキルを「コンセプチュアルスキル」、コミュニケーション力やリーダーシップなどを「ヒューマンスキル」と分けました。テクニカルスキルはOJTや各部門の教育研修で学びます。特に研修プログラムで充実を図ったのは、コンセプチュアルスキルとヒューマンスキルで、基本的にどの研修でも重点的にケーススタディを行い、実践的に学びます。

 

なかでも、ヒューマンスキルを磨くうえでは、以下のような「トリキウェイ」という社内共通の価値観が基本となっています。

 

 

―「正しい」や「善」など、強く素敵な言葉が目にとまりますね。どのように共通の価値観が導き出されたのですか。

 

中西:もともとは、昔からよく社長が言っていた言葉もあるんですよね。「それは正しいのか?」とか「善か、悪か」とか。同じ会社にいる以上、鳥貴族で働く全員が共有できる価値観をもとに、みんな幸せになって欲しい。そんな思いも込めて、働くうえで大切なことを明文化したんです。

 

久保山:社内では、普段の会話のなかで当たり前のように使いますね。改めて考えると「正しい」というフレーズを頻繁に使うのは当社らしいなあと感じます。「それって正しい?」というのは日常で訊かれることが多い。

 

社員たちからあふれる「学ぶ喜び」

―教育制度を構築されたことで、何か変化は出てきましたか。

 

久保山:率直なところでいうと、みんな「嬉しそう」なんですよ。それこそ、ビルドアップ研修を受けている社員は、数年単位で研修を受ける機会がなかった人が多いけれど、「今さら」と斜に構えているような人はあまりいませんでした。実際に参加者が、ビルドアップ研修を前向きに受けてくれただけでなく、社員だった人が店長を目指すようになったり、お客様から接客でお褒めいただいたりして活躍しているのを見聞きします。もちろん彼らの上司たちの働きかけがあったり、本人の頑張りがあった結果だと思います。でも、もしこういった研修機会がそれらを後押しするきっかけの一つになっていたら嬉しいなと思います。

 

―研修が人の変化のきっかけをつくると。

 

久保山:HRIの講師の方々から体系的に知識を得ながら、厳しくも的確なフィードバックを受けられます。アセスメントによって過去の自分と比較して、自分がどれだけ成長できたか、具体的な数値でわかりますから、納得度も高いのでしょう。基本的に、みんな元気で明るくて、自走できる人が多いので、そもそも「学ぶ意欲」が高かったのだと思います。

 

―多くの企業が「主体的な参加意欲」を高めるのに苦心されているなか、意欲的な社員が多いというのは、うらやましい限りですね。

 

中西:それはやはり、トリキウェイによるものかもしれませんね。店長に限らず、一般社員やアルバイトもなんとなく「鳥貴族っぽさ」があるんですよ。ただ、そのぶん、落ち込んで後ろ向きになっている人がそれを打ち明けづらくて、フォローしきれていなかった部分はあるかもしれない。リーダーシップスキルを学び、それを身につけた社員たちを増やしていくことで、支えていきたいと考えています。

 

(東京事務所で行なわれた研修の様子)

 

―課長・統括マネージャークラスではいかがでしょうか。

 

久保山:「課長職昇格時研修(TBAベーシック)」は1年がかり、「部長職養成研修(TBAアドバンス)」は事前研修に加えて2泊3日の合宿ですから、熱量も高く、学びの場を共有することで、さらにそれが高まります。もともとこのレイヤーの社員は中途採用組も多いですし、新卒のように「同期」がいるわけではありませんから、横のつながりが希薄な部分もありました。それが、研修のなかでディスカッションやケーススタディを行い、それぞれ培ってきた経験と勘に新たな知識を掛け合わせて、「共通言語」を見出していく。そうすると、コミュニケーションも活発になりますし、経営陣との連携も進んできました。

 

中西:前回の合宿には残念ながら私は参加できなかったんですが、社長から「次は絶対に来たほうがいいよ!」と言われました。「参加メンバーと親睦が深まった」って(笑)

 

 

―社長にも満足いただいているようで、光栄です。

 

久保山:階層や年代ごとに参加者の課題やレベルも異なるので、三坂さんには柔軟に研修プログラムを考えていただいています。私たちのことを知ってもらったうえでアレンジやカスタマイズしてくれるので、毎年お願いする意義を感じますね。

 

中西:私たちが欲していることを感じ取ってもらえるんですよね。「こういうのはいかがですか」じゃなくて、「こうしたほうがいいです」とダイレクトに言ってくれる。とても話が早いです。

 

―社員教育のこれからの展望は?

 

久保山:やはり、見直しつづけ、進化しつづけることが大切だなと考えています。トリキウェイなど根底にある部分は変わらないけど、今必要なこと、5年後・10年後の鳥貴族に必要なことは何なのかをしっかりと見据えながら、HRIさんと一緒にカリキュラムをつくっていきたいですね。

 

中西:「今がベスト」とは思わないんですよ。研修を検証して、課題があればしっかりそれを解決できるような布石を打っていきたい。ちょっとつまづいてしまった人にもちゃんと気づいて、「一緒にがんばろう」とフォローしていけるような。せっかくなら、一緒に成長していきたいじゃないですか。そういった社員教育を行っていきたいと思います。

(右から)
株式会社鳥貴族 人財部 人財開発課 課長 久保山豪 様
株式会社鳥貴族 専務取締役 中西卓己 様
株式会社HR インスティテュート 常務取締役 シニアコンサルタント 三坂健
株式会社HR インスティテュート コンサルタント 江草嘉和

 

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