用語解説

メディア・リテラシー

「あらゆる形態のメディアが発信する情報を批判的に評価・分析し、活用する力」のことを意味する。

 

メディアがもたらす大衆文化から伝統的文化を守ることを目的とした活動とともに発展してきたが、マスメディアが衰退し、SNSなどの個人メディアが台頭する現代においては、文化に限らず、政治や経済など幅広い分野に影響を及ぼすスキルとしての重要性が高まっている。

 

 

背景

 

1970年代にイギリスのメディア・リテラシー研究者であった、レン・マスターマンによって理論的な基礎が展開された。

マスターマンは「メディアは能動的に読み解かれるべき象徴的なシステムであり、外在的な現実の確実で自明な反映などではないこと」を最も重要な原則としており、これがメディア・リテラシーにおける批判的な思考の原点となってる。

このマスターマン理論の影響を強く受けた、カナダのAML(メディア・リテラシー協会)やアメリカのCML(メディア・リテラシーセンター)が発展させたガイドは、インターネットの普及とマスメディアの弱体化により、意味を失った部分もあるが、「メディア・リテラシーのコア・コンセプト」に関しては、現代のメディアを読み解く上で、重要な示唆を与えている。

 

 

メディア・リテラシーのコア・コンセプト

 

1.メディア・メッセージはすべて「構成された」ものである

2.メディア・メッセージは創造的言語とそのルールを用いて構成されている

3.多様な人々が同じメディア・メッセージを多様に受け止める

4.メディアは価値観と視点を含んでいる

5.ほとんどのメディア・メッセージは、利益を得るため、および/または権力を得るために作られる

 

 

メディア・リテラシーのコア・コンセプトと批判的な評価・分析

 

企業、個人の違いを問わず、メディアが発信するすべてのメッセージは、その発信者が意図的に構成したものである。

よって、“誰がどのような意図をもって発信した情報であるのか”を深く考慮したうえで、そのメッセージを解釈する必要がある。

典型的な“意図”としては、その発信者にとって都合のよいメッセージは積極的に発信され、逆に都合の悪いメッセージは消極的あるいはまったく発信されなくなる。

また、マスメディアが弱体化する過程では、顧客(視聴者や読者)の忠誠心を高めるために、顧客が好む情報をより優先する傾向が強まっている。

実際に、多くの国で中立的なメディアが減り、右か左か(保守かリベラルか)に偏ったメディアが増えている。

こうした変化の中では、メディアの情報を受け取る側が批判的に評価し、分析する力がますます重要となっている。

批判的な分析力を高めるためには、「確証バイアス(自分の主張に近い意見を正当化する)」、 「正常性バイアス」(自分にとって都合の悪い情報を過小に評価する)」 、「ハロー効果」(目立った特徴に引きずられて、全体が見えなくなる)、「内集団バイアス」(自分が所属している集団が他より優れている)といった認知バイアスの存在に気を配る必要がある。

 

 

 

 

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